九段下を歩きたい

コンサートとの好きな私にとって、日本武道館のある九段下は東京の中でも特別に思い入れのある場所。
九段下や武道館をテーマにした歌に、爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で」という名曲があります。
かなり古い曲ですが、むかし親せきのお兄ちゃんがギターで弾き語りをしていて私もとても好きになった歌です。
この歌では、主人公の少年(中学生くらいでしょうか)がペンフレンドと初めて会うために武道館のチケットを送ったものの、彼女は来なかった・・・という切ないラブソング。
一人でコンサート会場にいることが耐えられなくなった少年はコンサートが終わるのを待たずに武道館を飛び出し、九段下の坂道を駆け下りていきます。
その背後に武道館の屋根が「玉ねぎ」のように夜空に浮かび上がり、その横には千鳥ヶ淵のお堀がキラキラと光っているという光景が描かれているのですが、そんな描写の美しさも気に入っています。

主人公の少年は貯金箱を壊してまでコンサートのチケットを送ったのに、なぜ彼女は来なかったんでしょうね。
今のようにケータイですぐに連絡、というわけにはいかないのがペンフレンドの歯がゆいところです。
「ペンフレンド」という言葉を今は全然聞かなくなりましたね。
インターネットの発達で昔よりも会ったことのない人とコミュニケーションをとる機会は増えたはずですが、リアルタイムで連絡可能なネットの世界は文通のような切なさはありません。
24時間いつでも連絡できてすぐに返信可能な上、最近はテレビ電話まで可能、さらにスマートフォンをつかえば無料でやり取りするアプリもありますから、ドキドキしながらポストを除く文通のような感覚からはだいぶ遠くなりました。
会ったことのない相手ともリアルの知人や友人と変わらないコミュニケーションがとれるようになったことはとても便利ですが、このようなほろ苦い青春もいいなあ・・・なんて懐かしく思ってしまいます。
この歌の主人公に限らず、コンサートの思い出とともに九段下の風景を特別なものとして記憶する人はとても多いはず。
私にも、たくさんのコンサートの思い出があります。
遠いので滅多に行けないのが残念ですが、またコンサートの余韻に浸りながら九段下を歩きたいなあ、なんて思います。

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